【フォルテピアノ通信③】ところで、フォルテピアノって何?

Jos. Dohnal (製作者) 1795 Wien  ©Schloss Kremsegg
Jos. Dohnal (製作者) 1795 Wien  ©Schloss Kremsegg

さて、”フォルテピアノ”とはそもそもどんな楽器で、どんな歴史をたどってきたのでしょうか?

今日はフォルテピアノについて、お話ししたいと思います。

 

フォルテピアノ。

最近は演奏会でもたびたび取り上げられるようになってきましたが、まだまだ一般に慣れ親しんでいる現在のピアノとは違って馴染みが少ないですよね。

”フォルテピアノ”とういう名称は現代のピアノと区別して、昔の時代のピアノのことをそう呼んでいます。

18世紀後半からの50年ほどの間にピアノは急激な変化を遂げたため、ロマン派時代のフォルテピアノは一見して現代のピアノとは区別の付きにくいものもありますが、フォルテピアノである決め手は、

”弦がまっすぐに張られているかどうか”になります。

ちなみに現代のグランドピアノでは弦が交差して張られていて、弦も太く金属のフレームが使われています。これによってより大きな音量を出せるようになりました。

 

現代のピアノでは弦の総張力は約20トン、それを支えるには頑丈な金属のフレームが必要です。

これに対して1800年頃のフォルテピアノの弦の総張力は約5トン、支えは木製のフレームで十分だった訳です。

 

1700年頃、イタリアのフィレンツェのチェンバロ製作家、バルトロメオ・クリストフォリが最初のピアノを発明して以来、ピアノは様々な形で変遷を遂げてきました。

18世紀後半から19世紀前半にかけてウィーンでは数多くのピアノ工房が存在し、初めてウィーンを訪れたモーツアルトは

”ウィーンはピアノのワンダーランドだ!”

というようなことを言って驚いたほど。

このモーツアルト時代のピアノは木と細い弦だけで作られている、とっても繊細なものでした。鍵盤はチェンバロのように下が黒、上が白となっていることが多く、音域は5オクターヴ。現代のピアノは7オクターヴ以上なので、大変な違いですね。現代のピアノでモーツアルトを弾くと、狭い音域で作曲されている為、つつましい音楽のように感じてしまいがちですが、彼としては音域をめいっぱい使ってぎりぎりの所まで表現していた訳です。

それぞれの作曲家の時代に作られたフォルテピアノを弾くことによって、その作曲家が何を表現したかったかを理解することができます。

 

ところでフォルテピアノのアクションには ウイーン式とイギリス式という2つの流れがあります。ウィーン式はハンマーと鍵盤が直接連結している跳ね上げ式、繊細で軽いタッチのピアノです。対してイギリス式は鍵盤とハンマーが直接連結していない突き上げ式。こちらはより大きなハンマーを使用する事が可能でそれによって鍵盤のタッチが重く大きな音量を出せるようになっています。

現在のピアノはこのイギリス式を継承しています。

 

時代とともに人々の需要はより大きな音量、強弱のより大きな変化へ、と向かっていきます。

しかし、果たしてこのピアノの構造の変化が発展であったかどうか・・・

今、世界ではそれが疑問視されつつあります。

ウィーン式のかぼそいピアノが、現代のグランドピアノより劣っているとは決して言えません。フォルテピアノの持つ音色には人の心に直接訴えかけるものがある、と私は思っています。

そして、4月4日からフォルテピアノ修復家山本宣夫とオーストリア8日間、というツアーが始まります!

 

この企画には私も参加させて頂き、4月6日に楽器博物館クレムスエック城で行われる、アントン・フォイクト氏と私のフォルテピアノ連弾コンサートを総勢30名の日本人ツアーの方々が聴きに来て下さいます。

このツアーではウィーン、リンツ、ザルツブルク、ザルツカンマーグート、そして私の住む町クレムスミュンスターを訪れ、楽器博物館や美術館見学、コンサート鑑賞、オーストリアのグルメを堪能、といった見所いっぱいのツアーです。

私の住むクレムスミュンスターにこんなに沢山の日本人の方々が来てくださるのは、歴史始まって以来のこと! クレムスミュンスターには素晴らしい修道院もあり、とってもきれいな町なんですよ。日本ではあまり知られていませんが訪れられた方は皆さん、あまりに素晴らしい所なので皆さん、びっくりなさっています。

4月6日の演奏会では書道家の金森江仙の書の展覧会と茶道のお手前も行われ、日本とオーストリア文化交流イベントとなっています。

この演奏会などの様子は、次回のフォルテピアノ通信でリポートしますので、どうぞお楽しみに!!

 

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