作曲家のお話を聞いてみたい!吉松隆 編②

吉松隆: 交響曲第6番《鳥と天使たち》&マリンバ協奏曲《バードリズミクス》
吉松隆: 交響曲第6番《鳥と天使たち》&マリンバ協奏曲《バードリズミクス》

“吉松隆・作曲家への道”をお届けした前回レポート。

今日は、このほどライヴCDがリリースされる、吉松隆12年ぶりの新作、交響曲第6番についてお聞きしました。

 

この交響曲第6番には《鳥と天使たち》というタイトルが付いています。

交響曲という重厚なイメージに似つかわしくない「鳥と天使」というかわいらしいタイトルは、どこから来たのでしょうか?

 

実は女子クラ部では、小さい天使たちがワサワサ舞っているようなかわいい曲だね、とか、はたまた「鳥と天使」なんて黙示録のような不気味なタイトル!第6番だし、しかも楽章は3つしかないし、不穏な匂いがする・・・とか、さんざん勝手なことを申しておりました。

 

 

作曲を志した時からずっとこだわってきた「鳥と天使」。

「鳥」は空を自由に飛び、歌を奏でる象徴であって自分の師匠のようなもの。そして天使は宗教的なものではなく、木や石や水にすむ妖精であり、「座敷わらし」のようなもの。

この鳥と天使が描かれた夢の中の「音のおもちゃ箱」というのが今回の交響曲のイメージだったんだよね。

 

「おもちゃ箱」といっても、子どものおもちゃ箱ではなくて、60歳のおじさんが押し入れの中を開けたら見つけちゃった!というような感じのもの。

怖いものがあったり、見たくない物もあったり・・・。

 

そうそう、いま先生は楽譜の出版のために、押し入れの中をあさって今までの楽譜を整理されたりしているとか。そこでもたいてい見つかるのは、何十年もの封印を解いて発見される“見たくなかったもの”なのだとか。

大河ドラマ「平清盛」のハードな仕事の後だったので、その反動から、軽くてキッチュな子どもっぽい音楽を書いてみたいという思いもあったしね。

 

実際、第2楽章にはオカリナや、スライド笛、トイピアノなどおもちゃの楽器も出てくる。

それにシベリウスやチャイコフスキーなど大作曲家の第6交響曲の一部や、自作のタルカスやJAZZなども乱入しているんだ。

 

皆さん、それらの曲がどこに、どんな形で使われているのか、ぜひ探してみてください。

 

そして、楽章のタイトルも少し変わっているような気がしますが・・・

第1楽章 右方の鳥

第2楽章 忘れっぽい天使たち

第3楽章 左方の鳥

という、2楽章の天使を挟んで対称になっているのですね。

こちらが先生が書いたイラスト
こちらが先生が書いたイラスト

 

1、3楽章は、雅楽でいう「右方の舞」「左方の舞」のもじりだよ。

第2楽章の「忘れっぽい天使」はパウル・クレーの有名なペン画から名づけられている。

 

そういえば先生の絵はどこかクレーのようでもあるかな???

この交響曲のことについては、いずみシンフォニエッタでの公演プログラムノートにもっと詳細な解説を、ご自身で寄せてらっしゃいます。

いずみシンフォニエッタ大阪のFacebokページを覗いてみてください。

 

今回リリースされるアルバムにはもう1曲、マリンバ協奏曲《バード・リズミクス》が収録されています。

こちらの楽曲にも「鳥」が使われていますね。

 

鳥の歌を模倣しながら木片をたたくうちに、そのリズムが地面に広がっていって、やがて大地そのものの律動となっていく、というイメージから生まれた楽曲です。

 

タイトルの《バード・リズミクス》は「鳥リズム法」ということ。

鳥たちのリズムによせる賀歌なわけだね。

森には鳥たちの歌が満ち、大地にはリズム(生命の律動)が満ちている、そんな地球への賛歌でもある。

 

どうりで、聴いていると果てしなく続く地平線、大草原の中で、風を感じているような気分になります。

 

マリンバは、吉松先生がオーケストラ作品を書くときに最も多く使う楽器のひとつということなのですが、先生にはどうやらマリンバに対してトラウマもあるらしい・・・

 

昔々、若い頃、某演奏家から委嘱されて作品を書き上げたことがあるんだが。

それがね、演奏もされず、委嘱料ももらえず、お蔵入りになってしまったという悲しい思い出があるのだよ。

 

とはいえ、今回はマリンバ奏者の三村奈々恵さんと出会い「コンチェルトを書いてください!」の一言に、二つ返事で「はい!」と答えてしまったらしいです。

 

今回のこの2曲は、同時に楽譜も発売されます。詳細はASKS.orchをご覧ください。

 

さて、先生とのお話はもうすこし続きます。
貴重な楽譜を見せていただいたりもしましたので、そんなご報告も。
 
初回を見逃した方は、こちらで「作曲家のお話を聞いてみたい 吉松隆編①」をご覧ください。

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