【ナビ付きコンサート・ツアーご報告】初体験!弾き振りの妙&オケの不思議を探ってみる。

お待たせしました、第3回都響コラボ「ナビ付きコンサート・ツアー」のレポートをお届けいたします!今回は、みきさんとモモコさんにご参加いただきました。

まずは、みきさんから届いたプレトーク・レポをどうぞ!


11月15日、女子クラ部×都響の3度目の企画となる「ナビ付きコンサート・ツアー」に行って参りました!

第1回「スーク」の回でもお世話になった飯田有紗さんのナビゲート&トークと公演後のアフターパーティがセットになったこのツアー。


公演の50分ほど前から集合し、少し緊張気味の私たちの空気を飯田さんの笑顔が一気に和やかモードに変えてくださいました。


今回のテーマはモーツァルト。


あまりにも有名な作曲家ですが、今回演奏される3曲を通じて私たちはモーツァルトのどんな姿を見ることができるのでしょうか。

飯田さんのお話をベースに、私が当日演奏を聞いた感想を交えてモーツァルトに迫っていきたいと思います!


モーツァルトが栄華を極めたウィーン、それが下火になってきたころに訪れて大絶賛されたプラハ。

2つの都市の歴史背景、求める音楽の違いを知ることで、上演された3曲の理解はますます深まります。


1曲目 歌劇《皇帝ティートの慈悲》序曲K.621

華やかで公演の幕開けにぴったりなこの序曲が演奏されるオペラ《皇帝ティートの慈悲》は、神聖ローマ皇帝レオポルト2世のボヘミア王即位が決まり、そのプラハでの戴冠式のために作曲されたもの。かなりの短期間で作曲されたのだとか。そのためかどうか、当時は駄作と言われていたそうです。

プラハの人々にとってもこの戴冠式は、外から来たよそ者の即位ということもあり、実は内心複雑な気持ちを抱いていたといいます。

この日、3曲目に演奏された交響曲「プラハ」も、当時の通例ではメヌエットの楽章が入っているはずが、もともと貴族に対し反発心が強かったモーツァルトは、貴族が踊る曲とされていたメヌエットの楽章を取ってしまって、全3楽章で作曲したのだそう。

《ティート》作曲の背景にも、もしかしたらそんなアンチ貴族な彼の心が隠れていたのかも…。そんなエピソードをお聞きすると、モーツァルトの繊細な感受性とまっすぐさ、不器用さが見えてきて、また少しその気持ちに近づけたような感覚になりました。


2曲目ピアノ協奏曲20番ニ短調 K.466

19世紀になってマーラーやブルックナーが大オーケストラによる交響曲を作曲するようになると、専門の指揮者というポジションが生まれてきます。モーツァルトの時代では当たり前だった弾き振りも、大編成のオケでは確かに大変そうです…

モーツァルトの故郷、ザルツブルクでは交響曲が流行っていたのに対し、音楽の最先端だった当時のウィーンでは協奏曲が流行。そんな風潮を察知し、作曲されたこのピアノ協奏曲はモーツァルトの作品では数少ないニ短調。


私も聞きなじみのある、この協奏曲。

今回の演奏は、ロバート・レヴィンさんの弾き振りです。プレトークで飯田さんから事前情報が入り、どうもレヴィンさんは、協奏曲の前に即興演奏を入れるようだとのこと!


実際コンサートでは、1曲目《ティート》の序曲が終わった後にご本人から、その旨の解説が入りました。ハ長調の序曲から、いきなりニ短調のピアノ協奏曲に入るのは洗練されていない感じがする(モーツァルトの時代には“ありえない!”)、なので1 曲目から2曲目をつなげるために、ハ長調から始まりニ短調で終わる即興曲を演奏し、そのままピアノ協奏曲の出だしにつなげますとのこと。

当時モーツァルトは、どんな即興演奏を弾いていたのでしょうね。

現代にはたくさんのピアニストがいますが、演奏家であり、音楽を深く学んだ音楽家・教育者でもあるレヴィンさんだからこそ演奏可能ともいえる、この即興曲。

確かに長調と短調では受ける印象がもともと逆のものですし、その2つを橋渡しするような役割の即興曲は、とても粋で洗練されたものでした。

もう一度この流れで1曲目から2曲目を聴いてみたい…。即興からオケに受け継がれ、協奏曲が始まったあの瞬間が忘れられないです!


随所に現れたアドリブや、演奏しているレヴィンさんの豊かな表情を含め、ライブ演奏でしか得られない興奮を思いっきり味わいました。


3曲目 交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」

オペラ《フィガロの結婚》は貴族批判の色が濃いため、ウィーンよりもプラハで大ヒット。

先ほどお伝えしたように、プラハの人々の複雑な気持ちを吹き飛ばしてくれるような内容だったため、民衆のストレス解消になったのかもしれません。

そしてフィガロ・ブームに沸くプラハに招待されたモーツァルトが、プラハでの演奏会で初演したのがこの交響曲(といわれています)。

モーツァルトは、自分の思いと共感し、歓迎してくれるプラハの人々を前に演奏したのでしょうか…。

嬉しさや誇らしさ、勢いを感じるメロディーを、本日3曲目の演奏ともあって、勢いに乗る都響のオケの皆さんが駆け抜けるように演奏。特に、第3楽章の盛り上がりは素晴らしく、当時のプラハの人々も私と同じような興奮状態になったのではないかと思わずにいられません。


通常の演奏会とは違い、演奏前のナビトークがあったおかげで、演奏される曲にも感情移入しやすくなり、私はコンサートの最後には、まるでプラハの民衆気分でした。


プレトークでは、耳を傾けている私たちに寄り添って、笑顔でお話くださる飯田さんの解説に、私たちも自然と引き込まれ、笑顔になっていきました。

コンサートの帰りに、「飯田さんのお話はいつも楽しく、長く記憶に残るのですが、何かコツがあるのですか?」とお聞きしたところ、興味を持って聞いてくださっているのが伝わるから、私も「もっともっと」とノッてきちゃうんですよ、とお話されていました。(またそのときの笑顔が可愛らしくて…)

飯田さん、本当にありがとうございました!


さて、アフターパーティの詳細はモモコさんにバトンタッチいたします~!

By みき

ここからはモモコさんにバトンタッチ!

モモコさん、よろしくお願いします。


今回のコンサートの指揮者は、クリストファー・ホグウッド氏の予定でしたが、残念なことに今年9月に急逝されたため、ピアノ協奏曲の独奏者として出演が決まっていたロバート・レヴィン氏が指揮も務めることになり、ホグウッド氏への追悼コンサートとなりました。


1曲目は、歌劇《皇帝ティートの慈悲》序曲。

モーツァルトらしい軽妙洒脱な面白さには欠けると評価されているようですが、王の戴冠式を彩るオペラにふさわしく、荘重で華やかな曲です。

2曲目は、ピアノ協奏曲第20番。クラヴィーア(現在のピアノの前身)の名手でもあったモーツァルトは、自ら弾き振りする形でピアノ協奏曲を次々と発表しました。

今回はレヴィン氏の弾き振りによって演奏されました。


通常、弾き振りをする場合はピアノの鍵盤が客席に向くように置かれ、演奏者は客席に背中を向けてピアノを弾きつつ指揮をするのですが、今回は通常とは逆向きにピアノを置き、演奏者が客席を向くようにセッティングされました。

ピアノ協奏曲用に舞台転換する間にレヴィン氏が舞台でマイクを持って説明してくださいましたが、これはレヴィン氏たっての希望だそうです。

ピアノを客席に向けて配置することで音がホール全体に美しく響き、弾き振りをするご自身も演奏や指揮をしやすい、という理由からでした。

重厚なニ短調が支配する響きの中で、第2楽章は穏やかな長調に変わります(この第2楽章は、映画『アマデウス』のエンドロールに使用されています)。カデンツァ(独奏が即興的に超絶技巧を繰り広げる箇所)は、レヴィン氏の即興演奏でした。

 

アンコールにはレヴィン氏が「ホグウッド氏のために」と一言述べてから、モーツァルトのピアノソナタ ニ長調 K.576 第2楽章を演奏してくださいました。

 

3曲目は、交響曲 第38番「プラハ」

モーツァルトらしい明るく優雅な響きに包まれた交響曲ですが、ふっと不気味な曲想が顔を出したり、穏やかな光の中に暗い影が密かに忍び寄るような箇所があったり、モーツァルトの軽さと深さが聴きどころとなっています。レヴィン氏の洗練された温かみのある音楽づくりと、それに寄り添う都響の一糸乱れぬアンサンブルが見事でした。

そんなコンサートの後は、都響の第1ヴァイオリンの渡邉ゆづきさん第2ヴァイオリンの大和加奈さんをお迎えして、ホールから近くのこぢんまりとしたアットホームなカフェでティーパーティが開催されました。


おいしいスイーツやドリンクをいただきながら、ツアー参加者の皆さん、ナビゲーターの飯田さん、都響の渡邉さん、大和さんとで女子トークで楽しく盛り上がりました。

 

都響のお二人からは、プロのオーケストラ楽員ならではの貴重なお話を伺うことができました!

たとえば・・・

 

Q.いちばん疲れる曲って、なんですか?

A.今日演奏したモーツァルトは繊細な音を求められるので意外と疲れます。(神経が疲れるということですね。)体力的にキツいのはブルックナーなどかなあ。

 

Q.絶対に欠かせない「本番」がある皆さま、体力維持はどうなさっているんですか?

A.渡邉さん:「体力をつけないと」と思うけれどなかなか時間がとれないのですよね。ヴァイオリンは体の使い方が左右対称ではないので、マッサージに行って疲れをほぐすんです。譜面は、自分から遠いほうのページが見えづらかったり、目も結構疲れるのですよ。手書きの譜面だったりすると、さらに目が疲れます。

 

横でうんうん、と頷いていた大和さんですが、彼女は結構な坂道を、自転車通勤でいらっしゃるらしく、それが体力維持の秘訣ですね…という参加者のことばに一同納得。

 

Q.ソリストとして弾くときと、オーケストラの中で弾くときでは、弾き方が違うのですか?

A.そう、違います。ソロで演奏する時とは違って、オーケストラでは自分の音を出しつつ周りとのまとまりやバランスも考えます。

学校でオーケストラの勉強もしたけれど、プロになってから現場で学んだことの方が断然多いです。音の出し方やアンサンブル、呼吸なども、ゼロから勉強しました。

 

Q.ホールによって響きなどは違うのですか?

A.かなり違いますよ。「この曲ならこのホールで演奏したい」と思うことがありますし。都響のホームグランドは、上野の文化会館なのですが、あそこはオーケストラ公演はあまりないですよね。なので、慣れないオケの方は、音の鳴り方にビックリして、怖いと仰るそうです。客席で聴いているとほどよい残響があるのですが、舞台の上では、出している音がそのまんま“ナマっぽく”聞こえるのだそうです。

ほかにも譜めくりをめぐる面白エピソードや(渡邉さんは、うまくめくれず、いろいろな方法を試してみたそうで、輪ゴムを指につけたために指先が青くなってしまったこともあるのだとか…)、初めて演奏する曲の苦労なども伺いました。

 

でも、お二人からさまざまなお話を伺っていて一番印象に残ったのは、「練習ではうまくいかないこともあるけれど、本番はみんな『お金と時間をかけて聴きに来てくださるお客様のために美しい音楽を届けたい』という気持ちで団結することができる」というエピソードでした。

オーケストラの皆さんのプロ意識が垣間見えた気がします。

 

楽しいティーパーティの時間はあっという間に過ぎていき、参加者の皆さんや、飯田さん、都響の渡邉さん、大和さんと楽しくお話しすることができた機会に感謝しながら帰途についたのでした。

By モモコ

実は、このツアーにはもう一つの(いや、実は二つだったかも!)スペシャルなおまけが付いていました。その様子は次回、ご報告いたします!!!

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