『ローマの松』ってこういうこと??・・・旅クラ番外編「目でも楽しむローマの松」

女子クラ部ではもうおなじみ、指揮者アンドレア・バッティストーニ。

2月に来日を控えているバッティですが、年明け早々、昨年2月にリリースしたレスピーギの『ローマ三部作』がレコード芸術の2014年リスナーズチョイス第2位にランクインするというおめでたいニュースが飛び込んでまいりました。

女子クラ部でもハイレゾ試聴会でその音のクオリティを存分に味わったこの作品。

でも実際にローマに行ったことのない私がいつも思うのは、「祭り」や「噴水」はともかくとして、「ローマ」の「松」ってどんなもんなんだ?”日本の松”とは違うんだろうけど、「ローマの休日」的な風景と私の知っている東洋の”松”(それは、水墨画的な”松”に他ならないのだけど)は、どうやったって結びつかない。

 

というわけで、この度、ローマに旅行に行ってきたことをいいことに、”ローマの松”を写真で綴ってみることにしました。

『ローマの松』ってこういうことか!!

2/12(木)バッティの講演会に行こう!企画も実施中。

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ボルゲーゼ美術館正面からの眺め。松は写っていないか?
ボルゲーゼ美術館正面からの眺め。松は写っていないか?

♪ 目でも楽しむローマの松 ♪


まず、交響詩《ローマの松》の構成からおさらい。各部にはこんなタイトルが付いています。

 

I   - ボルゲーゼ荘の松

II  - カタコンベ近くの松

III - ジャニコロの松

IV  - アッピア街道の松

 

では冒頭の「ボルゲーゼ荘の松」からいってみましょう。

ローマの観光地図を開くと、上のほうに広大な緑地が広がっているのが目に入りますが、予約必須の観光名所「ボルゲーゼ美術館」もそのなかに位置しています。

これこそが Villa Borghese。17世紀の枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼが別荘として建てたヴィラが、現在はそのまま美術館として公開されています。そのまわりに広がるイギリス式庭園は市民の憩いの場。犬を連れて歩く人々、ランニングをする人々、お父さんに連れられてインラインスケートの練習をする子どもたちや、スポーツイベントに集まる人々まで、みんな大集合。

そしてもちろんあります、ここにも松!

Villa Borghese の展示室の窓から公園を望むと、向こうのほうに、モコモコした高い樹が見えています。あれが、松?!

 

こんな形の松が、ローマにはいたるところにニョキニョキ生えています。日本の松とはこの通り見た目も違いますが、種類も違うそうで、イタリアカサマツと呼ばれているそうです。英語では Italian stone pine とか Umbrella pine とも言うそう。まさに「カサ」ですね。

 

ちなみに、ボルゲーゼ公園の中は Wifi がつながります。Googleマップにアクセスしながら迷子の心配なく散策できるのでとても便利。

(ローマのフリーWifi = ProvinciaWiFi。詳しくはこちら。50セントの登録料が必要ですが、ローマの主要観光名所で使えるそうです。他の場所ではあまり役に立たなかったけど・・・。むしろフィレンツェで活躍しました。)

第2部は「カタコンベ近くの松」。


「カタコンベ」とは、もともとは旧アッピア街道沿いにあるサン・セバスティアーノ聖堂のカタコンベを指して言う固有名詞であったものが、後にキリスト教の地下墓所を一般にそのように呼ぶようになったそう。

この地域には、古くは凝灰岩の採掘場があったようなのですね。そこからサン・セバスティアーノの地下墓所が「ad catacumbas(窪みの近くの)」と言い習わされるようになったのだとか。

このカタコンベには一時期、かつて聖ペテロと聖パウロの遺体も葬られていたことがあります。(後に、それぞれの使徒の名を冠した聖堂が建てられ、そこに祀られることになります。つまりサン・ピエトロ大聖堂とサン・パオロ大聖堂。)

サン・セバスティアーノ聖堂は、その名の通り、あの矢で射られた図像で有名な聖セバスティアヌスが葬られた場所で、はじめカタコンベにあったセバスティアヌスの墓室は、後にその上(つまりカタコンベの上に)建てられた聖堂のなかへと移されました。このバシリカ、木彫の天井がとても美しい建築なのですが、17世紀にあのボルゲーゼ枢機卿の命によって改築されたものだとか。ここでもボルゲーゼの名前を聞くに及び、当時のその影響力の大きさがうかがい知れます。

この一帯には、ほかにもいくつかのカタコンベが点在します。

旧アッピア街道散策をはじめるときは、カラカラ浴場からアッピア街道入口となるサン・セバスティアーノ門をめざし、ドミネ・クォ・ヴァディス教会にまず立ち寄るのが定石でしょうか。ちょうど、そのドミネ・クォ・ヴァディス教会が位置するあたりが三叉路になって、真ん中の道をとると、サン・サバスティアーノのカタコンベへと続く専用道となり、その道の中ほどにローマ最大の地下墓所といわれたサン・カリストのカタコンベがあります。

そんな、カタコンベ専用道の風景がこちら。

糸杉のほうが主張が激しいですが・・・松もいます。横に枝を伸ばす姿が、広い空と対照的でなんとも愛らしい。

第3部「ジャニコロの松」は、ジャニコロの丘にある松ということですね。

旅の終わり、ローマ市内から空港へとむかう車がジャニコロの丘を抜けてゆき、朝方のその美しい眺望を目にしたとき、なぜここに立ち寄らなかったのか!と深く後悔したのが、ジャニコロの丘でした。

丘の下から見上げると、こんな景色。

 

ローマ見物をすると、カンピドリオの丘やパラティーノの丘など、○○の丘という名所にいくつも遭遇します。

ここで再びローマ観光地図を広げてみましょう。左手に大きく蛇行して流れるのがテヴェレ川。その東側(地図の右側)に7つの丘に守られ古代ローマの都市が形成されています。

ジャニコロの丘は、ローマ七丘とよばれるその7つの丘には入っていないようです。というのも、この丘はトラステヴェレ、つまりテヴェレ川の向こうにあるから。

 

こちらがテヴェレ川。川を越えると別世界です。

観光客ひしめくスペイン階段やコロッセオのあたりとは趣ががらっと変わり、穏やかに時の流れるトラステヴェレ。突然雨が振り出して困っていたら、次の教会まで車で運んでくれる気前のいいおじいちゃんがいたり、教会の中をうろうろしていると親切にガイドをしてくれる教会のスタッフがいたりするのも、こんな下町。

美味しいものがあるのも、すべてこちら側!

 

ちょっと脱線になりますが、トラステヴェレの美味しいお店をご紹介。

最後は、お待たせしました「アッピア街道の松」。

2000年も前につくられた石畳の道が、いまだに使われているというのだから驚きです。そうなのです、普通に使われているのです。だから「○○古道」みたいなことを想像していったのに、バスも走れば地元の人たちも車で飛ばすし、おちおち散歩していられるような雰囲気ではありません。

アッピア街道のわき道、カタコンベ専用道は、あるべくしてあるわけなのですね・・・。

 

サン・サバスティアーノ聖堂から、アッピア街道をさらに先むと、チェチーラ・メテッラの墓にたどり着きます。歩きだと大体ここがアッピア街道散策コースの終着点でしょうか。

チェチーラ・メテッラは、三頭政治のクラッススの息子の、マルクス・リキニウス・クラッススの妻だった人物とのこと。

 

では、今度はアッピア街道をローマのほうに向かって進んでみましょう。

ところどころに、こんな Via Appia Antica の表札を見ながら、チェチーラ・メテッラの墓から引き返し、またカタコンベ専用道との分岐点まで来ます。この写真は、専用道からアッピア街道を望んだ図。この道の手前を行くと専用道、赤い門の向こうを左右にアッピア街道が走っています。

左側:旧アッピア街道・・・歩行者専用道ではありません。何度も言いますが、こんな細い道を車がビュンビュン飛んで行くので歩いていくときは要注意。

そして三叉路の入口まで戻ってきました。

旅のはじめと終わりに、必ず横を通ることになるドミネ・クォ・ヴァディス教会。「ドミネ・クォ・ヴァディス」とは何か?

その昔、聖ペテロが迫害を逃れてここまでたどり着いたとき、この場所でイエスに出会われ、ドミネ・クォ・ヴァディス(主よ、どこへ行かれるのですか)?」と尋ねたのだとか。「もう一度十字架に架かりにローマへ」というイエスの答えに、ペトロは来た道を引き返してローマへと戻り、逆さまの磔にされて殉死したといいます。

教会の中に入るとすぐに、イエスの足跡だとされる石版が。しかしながら、おそらくこの石版の本来の役目は、旅の無事を祈る「願掛け」だったのだということです。


この日、わたしたちも無事にアッピア街道散策を終えて、ローマ中心部に戻ることが出来ました。

旅の思い出とともに《ローマの松》をめぐってみましたが、ローマと松は、それはもう記憶のなかの風景のように切り離せないひとつのものになって、歴史のなかで一緒に息をしてきたかのようです。

今まで音響的な楽しさを味わうだけだったこの曲ですが、思いを新たにしてみると、「松のあるローマの風景」という以上に、「松と共にあったローマの幻影」をそこに感じられるような気さえしてきます。

 

ところで、ローマ&松といえば、もう一つ思い出されるのがバチカン美術館の中庭に鎮座するあの大きな松ぼっくり、ピーニャ!もとは1世紀に遡るというイシスの神殿の脇の噴水に用いられていたものものだったそうで、それが一度は(8世紀のことらしい)旧サン・ピエトロ大聖堂の前庭に据えられ、今はバチカン美術館の真ん中に存在するという不思議。松ぼっくりのシンボリズムを調べてみるととても面白そうなのですが、ここはその場ではないので、またの機会に。

 

最後に、わたし的・思い出に残る「ローマの松」をご紹介して終わりにします。

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